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本家西尾八つ橋 八つ橋だより

2012年9月10日

9月の京都、青龍会(せいりゅうえ)。

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東の守り、青龍の故事


四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)に護られた古都、京都。その東の地の一角にあたる清水寺で、9月15日から17日までの3日間、青龍が境内と門前町を練り歩く、古くて新しい催し「青龍会(せいりゅうえ)-観音加持−」が行われます。
本来目でみることの出来ない観音さまの化身として、青龍が全長18mの姿を顕(あら)わし躍動する、迫力ある行事です。



  清水の涌きあふれる「音羽の滝」には、
   夜ごと龍(観音様の化身)が飛来して水をのむ。


清水寺には、そんな青龍にまつわる故事があります。
青龍会は、2000年の3月、遷都2000年と33年ぶりに行われたご本尊「十一面千手観音像」のご開帳を記念して披露された「龍の舞」を第一回目として、青龍の故事と、奥の院に祀られる「京の人々の悪縁を断ち切り良縁を結ぶ夜叉神(やしゃじん)」への畏怖をもとに、清水寺門前会によって創設されました。


青龍会の役と行道


この青龍会、青龍の他にもさまざまな役どころが荘厳な衣装で登場します。

【会奉行(えぶぎょう)】
杖を持っていて、法会(ほうえ)の儀式一切を統括し指揮を執ります。

【転供侍者(てんぐじしゃ)】
行道の初めに行う「八功徳水の儀(はっくどくすいのぎ)」における侍者。

【転法衆(てんぽうしゅう)】
法螺貝(ほらがい)を吹き、行道の先布令(さきぶれ)を行う。

【夜叉神(やしゃじん)】
人々の幸福を祈り、厄除、招福を祈願する観音加持を司る。

【四天王(してんのう)】
仏界の守護神−持国天(じこくてん)、増長天(ぞうちょうてん)、広目天(こうもくてん)、多聞天(たもんてん)の四天の王。前後2人ずつに別れて青龍を守護し、『南無観世音菩薩(なむかんぜおんぼさつ)・帰命(きみょう)』を唱える。

【十六善神(じゅうろくぜんじん)】
経典・大般若経を守護する十六体の神々。『南無観世音菩薩(なむかんぜおんぼさつ)・帰命(きみょう)』を唱え行道する。

【龍衆(りゅうしゅう)】
観音様の化身である青龍を捧げて、清水寺の境内と門前を練り歩く。



【行道・儀式】

奥の院を出発
→ 清水の舞台にて龍の演舞「八功徳水の儀(はっくどくすいのぎ)」
→ 音羽の滝にて青龍が水を飲む
→ 境内を練り歩く
→ 経堂へ
→ 西門前にて、夜叉神(やしゃじん)」によるご加持
 (かかると願いが叶うという水を参拝者にふりかけます)
→ 境内を出て、門前町を練り歩く。
 (掛け声とともに青龍がお店の中に入るシーンも見られます)
→ 仁王門へ
→ 轟門へ
→ 本堂にて「落慶の儀(らっけいのぎ)」を行い終了



otowa.jpg音羽の滝
清水寺創建のきっかけとなったと謂われています。

120827_kyo_seiryu2.jpg青龍の行道
体長18mの青龍が練り歩きます。

京都出身の世界的デザイナー ワダ・エミさんによる衣装デザイン

青龍会の大きな見どころのひとつが、青龍と従者たちの荘厳で美しい衣装の数々です。これらは、2000年3月3日の夜に披露された青龍の舞のため、「月に照らされた舞台に映えるように」とのコンセプトで京都出身の世界的衣裳デザイナーのワダ・エミさんの手によりデザインされたものなのです。

龍のウロコと僧衣は墨染め、800枚のウロコすべては裏に清水寺の経文が貼られており、これは経文の原点に戻るという意味も込められているとのこと。これらを形にするためには京の伝統工芸の粋が集められたといわれています。

新しい伝統行事が生まれるとき、そこには必ずその時代の芸術家の関わりが見られます。世界で活躍するワダ・エミさんの衣裳がここ京都に伝え守られていくであろうことに興奮を覚えます。今後、末永く続いて行く中で時々の変遷もあるでしょうが、まだ生まれて十数年の青龍会。私たちは今、「青龍会」の創建の姿に立ち会っているといえるのでしょう。


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【青龍会はいつどこで?】
毎年3月の15・16・17日、4月の3日、そして9月の15・16・17日、午後2時より清水寺にて行われます。入山料は大人 300円、小・中学生 200円ですが、境内から門前町にかけての行程は無料で見ることができます。年々見物の人出が増えてきてはいますが、まだあまり知られていない行事ですので、比較的楽にご覧いただけるでしょう。今がチャンス。ぜひお出かけくださいませ。